鍵の交換は防犯の基本

多くの方がご存知の通り、ピッキングとは
耳かきのような金属工具を鍵穴に差し込み解錠する方法です。
ピッキング犯はアジア系外国人グループが多く、窃盗団のアジトでは、ピッキングツールの製作や技能の訓練が日々行われるといわれています。
ピッキングによる侵入被害は減っていません。
「そのうちに鍵交換・・・・」と思ってるアナタが狙われる!
DIYに自信のあるあなたなら、ご自分でも「鍵交換」は可能です。
まずは、錠前の種類を特定しましょう。通常「鍵交換」というのは、錠前すべての交換ではなく、シリンダー交換もしくは玉座(ノブ)交換を言います。
シリンダーは、ホームセンターなどでも販売していますが、種類が限られていることが多いです。住宅の錠前の70%はmiwa製ですので、販売されている鍵(シリンダー)もmiwa製が1番多いです。他社製シリンダーも、その多くがmiwa製錠前対応品です。
また、鍵屋さんルートでしか流通しない防犯シリンダー(MUL-T-LOCK、ROYAL GUADIAN, WEST ) もあります。
講座内容は下記6項目です。
- 錠前の種類
- 錠前の防犯性能
- 錠前各部の名称
- 賢いシリンダー選び
- 交換に必要な工具
- 取扱説明書
1.錠前の種類
2.錠前の防犯性能
開き戸における錠前の種類です。補助錠は、ほとんどが面付箱錠タイプです。一戸建ての玄関ドアに使われる錠前には、
いろんな装飾デザインがありますが、ほとんどはケースロックのタイプです。
防犯性高い
防犯性低い
面付箱錠 ケースロック(掘込錠) インテグラル錠 円筒錠
面付箱錠の特徴
ドアの室内側の面に錠の機構が入った箱型のケースを取り付けるタイプ。ノブ又はハンドルと鍵穴は別々です。
外側からは鍵、内側からはサムターンを回して施・解錠します。
★防犯性★
高い防犯性能を有しています。施錠時にドアのすき間からカンヌキが見えなくなるため、こじ開けにも強い錠です。
鍵屋が取り付ける補助錠は、たいていこのタイプの錠前です。
ケースロック錠の特徴
錠の機構が入った箱型のケースをドア材の中に彫り込むタイプ。ノブ又はハンドルと鍵穴は別々です。
外側からは鍵、内側からはサムターンを回して施・解錠します。
★防犯性★
高い防犯性能を有しています。サムターンを使わずに室内側から鍵で施・解錠できる「両面シリンダー」タイプの
ものもあります。こじ開け防止のために、ガードプレートを付けて下さい。
インテグラル錠の特徴
ノブに鍵穴があり、カンヌキがあるタイプ。外側からは鍵、内側からはノブについているサムターンを回して施・解錠します。
★防犯性★
室内用の錠です。カンヌキを使用していますが、
ノブにシリンダーを内臓しているため、円筒錠と同様にノブごともぎとられる可能性があります。
円筒錠の特徴
ノブに鍵穴があるタイプ。外側からは鍵、内側からはボタンを押して施・解錠します。
★防犯性★
室内用の錠です。壊れやすく、ノブごともぎとられたり、こじ開けられたりします。簡素な円筒錠は、
ノブに強い衝撃を与えただけで開錠状態になります。また、カンヌキがないためドア隙間からの攻撃に弱いです。
円筒錠とインテグラル錠は本来は室内用の錠です。面付箱錠もしくはケースロックに付け替えるか、補助錠を付け加えることをお勧めします。
3.錠前各部の名称

一般に言われるカギの正確な定義は、キーのみを指します。キーをシリンダーに挿し込み、デッドボルトを出し入れして
施錠・解錠を行います。ラッチボルトはドアを開けっ放しにさせない仮締りの役割を持っています。
錠前のメーカーと型番はフロント面のプレート(アーマープレート)に刻印されています。
下図を総称して錠前(ロック)と呼んでいます。
4.賢い防犯シリンダー選び
鍵屋に交換依頼しなくたって自分でできるという方でも、どのシリンダーがいいのか?はきっと迷うかと思います。
鍵屋の視点で、シリンダー選びのポイントをご説明します。最終的には、購入予算と天秤にかけることになります。
ただし、犯罪が進化する現代においては、シリンダー交換をしても3〜5年周期で見直すことも大切です。
防犯性が時代遅れになるだけでなく、精密なシリンダーは寿命が短いからです。
A.メーカーと互換性
ピッキングブームに便乗して、いろんなメーカーからシリンダーが50種類以上発売されました。異業種からの参入もありますが、
やはり錠前のことをきちんとわかっているメーカーが信頼できます。
GOAL, WEST, SHOWA, ALPHA, MIWAが代表例です。ただし、日本の住宅用錠前の約70%はMIWA製なので、シリンダーの多くは
MIWA製の錠前とGOAL, SHOWA製の錠前一部にのみ対応していることが多いです。言い換えると、ALPHA(WEST)製の錠前であれば、
ALPHA(WEST)製のシリンダーしか選択肢がないことが多いということです。
B.防犯性能
耐ピッキング性能は、もちろんのこと、最新の手口(カム送り解錠やサムターン廻し)に対する防御や耐破壊性能も検討してみましょう。
鍵のカタログが参考になるかも知れません。とはいえ、ホームセンターの店員に聞いても、カタログ上の説明しかわかりません。
鍵違い数が多いほどピッキングに強いと思っている店員もいます。
「シリンダーの構造を理解し、実際にピッキングや破錠を経験しているのは誰か?」
そう、鍵屋です。窃盗団でなく鍵屋さんに相談するのが賢いです。
★★お願いだから!ここだけの話にして★★
鍵屋的視点を付け加えると、あえてマイナーな防犯シリンダーを選ぶという方法もあります。
なぜか?爆発的に売れたシリンダーは、必然的に解錠依頼の現場で遭遇する鍵屋が増えてきます。
現代のシリンダーは、ピッキングでの解錠がほぼ不可能なものが多く、解錠依頼の多いシリンダーは専用解錠工具の
研究・開発が行われます。需要があればそれを作る業者が出てくるのは自然の流れで、カギ業界で販売されたりします。
モラルのない業者が販売すれば、窃盗団も解錠工具を入手することになります。過去の例をあげれば、
U9シリンダー、ECシリンダーがこれに当ります。
C.防犯シリンダーの値段
「見た目は似たようなシリンダーなのに値段が2倍も3倍も違うのはなぜ?」
一般の方がこういう質問をされることがあります。
ズバリいうとそれは防犯性能の違いです。値段とシリンダーの防犯性能は大体比例します。
もちろん、値段の割にすごく防犯性能が高いシリンダーもあるし、逆に値段の割に防犯性能はイマイチという
シリンダーもあります。それを知っているのは・・・そう、鍵屋です。
D.見た目の好み
E.合鍵の作りやすさと価格

こんなギザギザ鍵の合鍵は500円くらいですが、上図のような特殊キーは合鍵の値段が2000〜3000円します。
ギザギザキー用の複製マシンでなく、特殊キー用のマシン(ウン十万円)が必要で、複製する手間も面倒だからです。
「カギを落として誰かに拾われても、複製できない」ようにしたいなら、専用IDカード付きのシリンダーや特許により
複製できないカギを選ぶといいでしょう。IDカード付きのカギ(MUL-T-LOCKなど)は、特約店しか合鍵を作れません。
特許申請されているカギ(kabastar,FBロックなど)はメーカーに子カギを発注するしか方法がないので、
手続きが面倒で納期も通常2週間以上かかります。
登録制のカギ
IDカード付きで特約店でしか作れない鍵
・マルティロック ・ロイヤルガーディアン ・メガクロス
メーカーでしか作れない鍵
・カバスター(KABA)・FBロック(alpha)・クラビス(シブタニ)
・ティアキー(FUKI)・PR(MIWA)・GRAND V(グランブイ)(GOAL)
F 操作性とメンテナンス

操作性のポイントは、リバーシブルであるか、鍵の抜き差し感、クリック感です。
たとえば、防犯シリンダーとして最もお手軽な値段のU9シリンダーはリバーシブルではなく、鍵穴がWの形になっています。
これは鍵穴にマイナスドライバーを入れて破壊する手口への対抗策です。カギをMの形で入れようとしても鍵穴に入りません。
視力の弱ったお年よりからは時々「使いづらい」といわれる理由です。また短い年月で鍵の抜き差しがスムーズでなくなるシリンダーもあります。
クリック感は、鍵を廻すときに、カギを抜く位置へ自動的に誘導されていく機械的仕組みにより実現しています。
これがないと、「カギを抜く位置でないのに強引に鍵を抜こうとして部品を傷める」ことになります。
抜き差し感、クリック感をホームセンターに聞いてもわかりっこありません。実際に製品を触ってみてください。
それでも疑問が残るなら、鍵屋さんに聞いてください。ホームドクター同様、相談できる鍵屋さんを見つけると豊かな
防犯生活を送れます。防犯シリンダーはどれも精密ですから、概して寿命が短いです。寿命を延ばすためにもメンテナンスが
必要です。といっても、専用潤滑剤を6ヶ月に一度くらい吹きかけるだけで充分です。
購入予算の目安として、KagiStarがおすすめするシリンダー一覧をお見せします。表示されている料金は、
出張料金と工事料金を含んでいるので、製品購入値段ではありません。
→カギスターおすすめシリンダー 一覧
5.シリンダー交換に必要な工具
6.取扱説明書
シリンダーに付属している取扱説明書を本邦初公開いたします。ご自宅の錠前をクリックしてください。
MIWA HPD, PMK, RA は集合住宅用の錠前です。
一戸建ての場合、ロックメーカーの型番でなく、サッシメーカーの型番が刻印されている場合が多くあります。
この場合の鍵交換作業はMIWA LA, BH, LSPの鍵交換作業の応用である場合がほとんどです。
→MIWA LA/MA/DA交換
→MIWA BH/LD交換
→MIWA LSP交換
→MIWA HPD交換
→MIWA PMK交換
→MIWA RA交換
→SHOWA CL交換
→一般的な玉座交換
ここまできちんと理解できたあなたなら、防犯シリンダーをホームセンターやネット通販で購入しても、おそらく問題ないでしょう。
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