鍵と錠の交換手引き
鍵の交換に当たっては、料金、費用に関する質問が一番多いです。鍵、錠の種類を把握することで、鍵屋さんへの見積依頼もスムーズになります。
「鍵の交換いくら?」と一言で聞かれても、回答しづらいほど鍵(錠)の種類は多いのです。2000年以降、ピッキング対策のための防犯シリンダーが
数多く発売され、防犯強度を上げた防犯錠も多く採用されています。マンションの玄関錠では、プッシュプル錠の2ロックが主流になりつつあり、
戸建玄関では、サッシメーカーのOEM錠が多くなっています。種類も豊富で、新製品が出るまでのサイクルが短くなり、鍵屋さんでも玄関錠すべてを
把握するのは、厳しい状況です。電話口での問い合わせにおいても、鍵と錠の種類を把握できないと鍵屋さんでも料金に幅を持たせた回答しかできません。
そこで、鍵交換を検討する方のために、鍵と錠の種類を把握するための手引きをまとめました。種類は主に機能と構造によって分類されます。
なお、鍵と錠の用語については、用語事典を参照ください。
→用語事典
マンションのオートロック物件について

オートロック式マンションのエントランスドアをキーで開錠する物件には逆マスターキーシステムが採用されています。
玄関のキーでエントランスも開けることができるように、鍵交換するにはキーシステムのデータを持っているメーカーに注文する
必要があります。
→オートロック式物件の詳細
ケースロック錠

錠ケースがドア内部に埋め込まれています。取っ手はレバーハンドルが主流ですが、ノブもあります。
アパート、マンション、戸建の玄関ドアに広く使われています。ケースロックにデッドボルトとラッチボルトの機能を
収めています。レバーハンドルがあってもデッドボルトがない錠は、室内錠に分類されます。
→ケースロック錠の詳細
面付箱錠・面付補助錠

面付箱錠は、室内側の扉面に錠ケースを取り付ける錠前。取り付けが容易で強度、防犯性に優れており、
集合住宅玄関扉に広く使われています。公団規格の錠がほとんどです。錠ケースは大体「お弁当箱」サイズです。
面付補助錠は、本締まりタイプ(デッドボルトのみ)の錠前。シリンダーもぎ取り対策として長座が付いた錠や、
サムターン廻し対策された錠が増えています。いずれも増設する補助錠に使われます。
→面付錠の詳細
インテグラル錠(玉座) 円筒錠

インテグラル錠は、ノブの中心に鍵穴がある錠。デッドボルトとラッチボルトを備えています。
外側からは鍵、内側からはノブについているサムターンを回して施錠、解錠します。
古い建物や勝手口には多く取り付けられています。
円筒錠もノブの中心に鍵穴がありますが、デッドボルトはなく、施錠時にはラッチボルトが固定されて、引っ込みません。
施錠は鍵を使わず室内ノブのロックボタンを押し込んで、ドアを閉めます。円筒錠は、古いドアの勝手口やトイレ錠として使われます。
→玉座の詳細
本締錠

ほんじまり錠は、デッドボルトだけを備えた錠です。通常はドアに埋め込むケースロック本締錠をいいます。
室内ドア面に取り付ける面付補助錠も本締錠の一種です。フロントサイズが小さく、ケースが管状(チューブラ)の本締を
チューブラ本締錠あるいはチューブラデッドと呼んでいます。
店舗入口ドアなど、ラッチボルトが不要なドアには本締錠と取っ手のみがついています。
→本締錠の詳細
装飾錠

かつては、戸建玄関に良く採用された装飾タイプの錠です。主錠は、ほとんどがサムラッチ錠です。
サムラッチ錠とは、ハンドルを握って、親指(thumb)でつまみを押すことでドアを開ける(latchを引っ込める)錠をいいます。
日本では、1990年くらいまで戸建住宅に装飾錠として多用されたましたが、現代はほとんど採用されません。
年代の古いマンションについている場合も見受けられます。北米輸入住宅では、現在も主流のようです。
サムピースハンドルともいいます。サムラッチ錠は、同時にサッシメーカーのOEM錠でもあることが多いです。
→装飾錠の詳細
サッシメーカーOEM錠/ハウスメーカーOEM錠

サッシメーカーやハウスメーカーがロックメーカーからOEM供給を受けて、戸建の玄関ドアに採用される錠です。
フロントのプレートにはロックメーカーの刻印でなく、たいていサッシメーカー品番の刻印があります。
サッシメーカーにはトステム、不二サッシ、新日軽、YKK、三協アルミ、立山アルミなどがあり
ハウスメーカーには、セキスイ、ヤマハ、ナショナル住宅、ミサワホーム、ダイワハウスなどがあります。
特定期間だけ製造して、廃盤になっている錠も多くあります。
→OEM錠
プッシュプル錠/プッシュグリップ錠

室外側からはハンドルを引く、室内側からはハンドルを押す動作でドアを開けられる長い取っ手の錠前。
扉を開ける方向にグリップハンドルを動かすと、ラッチボルトが動きます。
2000年頃から急速に普及していて、マンション・アパートの玄関ドアでよくみかけます。
戸建の玄関ドアでもサッシメーカーOEMのプッシュプル錠が主流です。
ラッチボルトのみプッシュプル錠で、別個に本締錠が上と下に付いているドアもあります。
→プッシュプル錠
室内錠・浴室錠・トイレ錠

室内ドアに使われる錠を総称して室内錠と呼んでいます。たいてい施錠機能(鍵穴)がありません。
施錠機能があってもデッドボルトはなく、ラッチボルトを固定する構造になっていたり、開けることが容易にできます。
仮締まり機能のみを備えた間仕切錠は空錠とも呼ばれます。
ラッチ錠と呼ぶ人もいます。ケースがチューブラ形状であれば、チューブララッチと言います。
表示錠は、現在使用中かどうかを赤や青の色で表示します。トイレ錠や浴室錠としてよく使われます。
マイナスドライバーや十円玉で表示部分を回すことで、開錠できます。この機能は非常開錠と言われます。
玄関錠に比べると耐久性が低く、簡素な構造になっています。
引違錠・戸先鎌錠

引違錠は、2枚の引戸が重なる部分に取り付けられる錠です。室内側と室外側の錠をかみ合わせることで施錠するので、
召し合わせ錠ともよばれます。和風の戸建玄関に使用されます。防犯性の高い取替用引違錠は、多くあります。
戸先鎌錠は、引戸の戸先(先端部)についていて、デッドボルトが鎌錠になっている錠です。
戸建住宅に取り付けられる戸先鎌錠は、サッシメーカー供給で装飾が施されています。
戸先鎌錠を交換する場合は、取替え用の錠はなく、まったく同じ製品を取り寄せる格好になります。
補助錠として増設する面付けタイプの戸先鎌錠もあります。サッシメーカーの引戸であれば、
引違錠と戸先鎌錠2個の3点セットで取り付けられていることも多くあります。
左の戸先鎌錠は、マンションなどのゴミ置き場、倉庫などの共用引戸に採用されます。
引違錠・戸先鎌錠ともに、交換する場合は、錠セットでの交換となります。
住宅の錠は、上記の区分でほぼ種類を特定できます。必ずひとつの区分に属するわけではありません。
装飾錠は、サッシメーカーのOEM錠でもあることが多いですし、プッシュプル錠も戸建ならほとんどOEM錠です。
トイレ錠にレバーハンドルが付いていれば、レバーハンドル表示錠と呼んだりするので、統一された呼称があるわけではありません。
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