カギと防犯の
フットワーク一番店

□鍵の110番出動 ●kagistar事件簿
File03:真っ黒なセルシオに乗った街金


夜7時頃、鍵屋仲間より電話が入りました。住宅の解錠依頼が入ったが、彼は出動できないので、私に出動要請をしてきたのです。ただし、
「電話相手が変なので、気を付けて」
と注意を受けました。電話してみると店舗か事務所の様子です。”自分の家ではないが、開けて欲しい”という依頼なので、事情を聞いてみました。
”その住宅は借金を抱えて逃げている社長の自宅で、所有権は自分達にあるので解錠しても問題はない”
という言い分です。民法には詳しくないですが、民事事件には巻き込まれたくないので、念書に一筆サインをもらう旨の了承を得てから出動しました。現場は閑静な住宅街にある1戸建てです。すでにスーツ姿の営業マンらしき人が家の周りをうろつきながら家の中を覗こうとしています。
”カギ屋ですが”と声をかけましたが、
「何?カギ屋?」
という反応でした。どうやら電話の客ではなかったようです。しばらくすると、ボディもウインドウも真っ黒、ピカピカのセルシオが到着しました。ドア4枚ともが開き、降りてきた4人は見たところまさに「ヤクザ」です。だぶだぶのスーツで色は奇抜、皆ガタイも良くかなりの強面です。電話口でのイメージと正反対です。この時点で、大体状況が読めてきました。不渡り情報をつかんだ裏金融?屋が私を呼び、カギを開けてまず住宅内に”占有”して居座る目的だったのでしょう、ところがまじめそうな同業者が既に玄関前に立ちふさがっている、というわけです。その後のやりとりは、私の愛読した「ナニワ金融道」の世界そのものでした。
「こら、お前、どこの業者じゃあ、ウチがここには一番抵当つけてんの知らねえのかあ」
「い、いえ、上司に言われてますので、ここを離れることはできません」
まじめそうな金融屋さんが応酬します。
「じゃあ、上司を電話に出せ。何なら力ずくで・・・」
こういうやりとりが20分以上続きました。とはいえ、彼らも民亊のプロですから決して暴力は使いません。ラチがあきそうにないので、私は断ってサーと帰りました。不渡りの情報は即座に金融業界には流れるんですね。おそらくこの裏金融屋は、何件もカギ屋に電話して断られたでしょう。経験の浅い私は、電話口で状況を察知し、断る判断ができなかったことが未熟であったと痛感しました。とりあえずトラブルに巻き込まれなくて一安心でした。

File01:おじいちゃんが死んでいたFile02:泥棒と間違えられたんです
File04:現場には誰もいない・・
File05:強制執行と執行官
File06:トイレに閉じ込み1時間
File07:現金輸送車インロック
File08:民亊トラブルでサンドイッチ状態
File09:料金踏み倒して逆ギレ?
File10:ヤクザの事務所と恐喝と


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