戸建て住宅の侵入盗で最も多い手口は、窓のガラスを割り、クレセントを廻して侵入する「ガラス破り」です。
もう戸締りだけでは侵入を防げない時代になっています。
「ガラス破り」は昔からよく使われてきた手口です。空き巣にとっては最も早く確実な侵入方法です。
クレセントはカギではありません。クレセントは単にガラス窓を密閉するためだけのものです。

■クレセントとは? --- 直訳すると「三日月」です。右の画像のように、通常「窓のカギ」と言われる金物です。
レバーを引き上げることにより、半円の爪が下がり、受け手と噛み合わさり、窓を密閉します。
クレセントには、あまりにも多くの種類があります。ねじ穴の間隔や半円の直径や引き寄せ寸法(受け手までの距離)
が若干違うだけで、噛みあわせが悪くなり、レバーを廻すのに多大な力が必要になります。
クレセントが壊れて、ホームセンターなどで購入する場合は、”サイズが近いもの”ではだめです。
”サイズが全く同じ”クレセントが必要です。古いクレセントである場合や、製造元がサッシメーカーでなく
金物メーカーである場合、製品自体が廃盤になっていることもあります。
そんなときは、ほとんどの寸法に対応できる万能型クレセントを選ぶといいでしょう。

ガラスの種類にはフロート板ガラス、複層ガラス、強化ガラスなどありますが、防犯性には大した違いはありません。
ハンマーで叩き割るのはどれも容易です。
-----「網入りガラスは簡単には割れないのでは?」-----
という方が多くいますが、網入りガラスの金網は防犯のためではありません。
ガラスが割れても、飛び散らないためにあるのです。

ガラス破りには大別して3つの方法があります。
1.こじ破り 〜マイナスドライバーを使います。最も多い手口です。
2.打ち破り 〜ハンマーやバールでガラス全体を打ちます。
3.焼き破り 〜火を使って温度差に弱いガラスにヒビを入れます。
新しい手口です。焼き破りは今後急増するでしょう。
ライターなどでガラスをあぶり、水をかければ音もたてずにガラス全体にヒビが入ります。

空き巣が一番気にすること、それはガラスの破壊音です。意外とガラスを割っても周囲の雑音にかき消されることが多く、
隣の家の住人がテレビを見ていて気づかなかった、なんてことはよくあります。空き巣もプロなので、車が近くを走る時に
ガラスを割るなど、破壊音をかき消すタイミングを心得ています。

最近よくTVに出てくる防犯ガラスは割れないのか?
防犯ガラスは2枚のガラスの間に特殊フィルムを挟んでいます。ヒビはガラス全体に入りますが、
特殊フィルムが張り付いているので、貫通するためには2分間も破壊音を出し続けなければなりません。
そんなことをする空き巣はいないでしょう。価格は非常に高価で、通常のガラス交換の約3倍から5倍かかります。
一般的な掃き出し窓のサイズが1.8m×1.2mとして60,000円から80,000くらいかかるでしょう。全てのガラス窓を防犯ガラスに換えると・・・
費用を考えると、あまり現実的ではないですね。防犯ガラスのデメリットは他にもあります。
●防犯ガラスは受注生産のため、納期がかかる場合が多い
●防犯ガラスは重量があるため、サッシ戸車が痛みやすい
防犯フィルムであれば、費用的にも検討の余地が大きいでしょう。
ガラス全面貼付でなく、市販品のサイズであればあなたにも施工できます。通常のガラスに防犯フィルムを貼ることにより、
ガラス破りに高い効果を発揮します。市販品サイズですと、A4サイズから500mm×400mmサイズまで幅広く販売されています。
クレセントを中心にガラスの一部分に防犯フィルムを貼ることでも、かなり防犯効果が高くなります。

ガラス全面に貼り付ける作業は、一般の方にはおすすめできません。 間違いなくトラブルを抱えることになるからです。
素人の方がやるとどんなトラブルが起きるのでしょうか?
1.防犯フィルムを正確にカットできない。
2.気泡が出来る〜チリ、水分、空気が残ったままになります。
実際、素人さんが施工した防犯フィルムは数ヶ月で透明感が無くなってしまい、見るも無残な状態になります。
プロの施工業者が使う防犯フィルムは、市販品の3倍以上の厚さです。肉眼では、下敷きほどの厚さになります。

空き巣の目に付くようにガラス衝撃センサーやガラス破壊センサーなどを取り付けます。
ガラスを割ることに対する心理的な威嚇効果は大きく、犯行をあきらめた理由の上位にも出ています。
でも図太い空き巣なら、あえてガラスを割り、すぐに防犯機器のスイッチをOFFにすることもあり得ます。
価格的にもお手頃な防犯機器は、役に立たない場合もあることを知っておく必要があります。

窓が開くと大音響が鳴ります。また、ガラスの衝撃に対しても大音響が鳴ります。
外から見ると、威嚇する防犯ステッカーの役割も果たしています。ホームセンターでもよく売られていますが、
手頃な値段だけに弱点も多いのです。空き巣も知っているその弱点とは・・・
●ON/OFFスイッチが誰にでもわかる
●車や家人による振動にもセンサーが反応して煩わしい。
防犯性と利便性は、両立しないことが多いです。
窓にも「2ロック」が常識になりつつあります。簡素な補助錠でも、心理的プレッシャーを与えられます。
住宅の場合、音が出るので窓ガラス全部を破って侵入するケースは少ないいのです。
補助錠を壊すために再度ガラスを破る空き巣はほとんどいません。
窓の補助錠はストッパーという役割が強いですが、クレセントだけに比べれば、はるかに防犯効果が高くなります。
「窓のカギ」を強化する商品には、大きく分けて3通りあります。

1.クレセント自体を強化する
暗証番号式にしたり、クレセントの回転を阻止する金具を取り付けます。素人さんでは施工が難しい場合もあります。
気軽にクレセントを外す前にホームセンターなどで情報を収集した方がいいでしょう。

2.シリンダー錠を追加する
取付は誰にでもできます。強力粘着テープで貼り付ける商品よりは、ビス止めする商品が望ましいです。
ただし賃貸物件ではビス止めできない可能性があります。気を付けることは、引戸ドア間のチリ(スキマ)が小さい場合は、
商品をそのまま取り付けられないので、専用の補助レールが必要になります。

3.サッシの水返しに挟んで、ドア自体を突っ張る
左の写真が代表例です。奥方向にドアを”突っ張り”、引戸を開ける際に障害物となります。
非常にお手頃な値段で、誰にでも簡単に付けられます。
カギを廻しすぎると、必要以上にドアを突っ張ることになりますので、年月が経つと引戸ドアが変形して反り返る可能性があります。
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